


「とりあえず、ビールで」なんて、いつも“とりあえず”扱いしてしまうビール。でも今夜のビールは、何かがいつもと違うのだ。仕事帰りに、ちょっとした贅沢を求めてやってきた、ホテルのラウンジ。こんなにまろやかな味わいだったかな、ビールって……。きれいな夜景が見られるから? それともビールの種類が特別なのか? グラスをしげしげ眺める私に、「どうかされましたか?」とラウンジのスタッフが声をかけてくれた。
「薄口でよく冷えた“グラス”、その日の気候に合わせた“ガス圧”、丁寧に手入れされた“ディスペンサー”、そしてプロの手による“注ぎ方”。この4つが出会って初めて、最高の味わいの生ビールになるんです」。ふむ、このきめ細かいクリーミーな泡は、その賜物か。ビールとともにオーダーしたローストビーフサンドをいただきつつ、パノラマ夜景を一望し、喉を鳴らして、もうひと口。
ここに立ち寄るまでのせわしない「日常」が徐々に遠のき、ゆったりと満ち足りた時間が流れる。昔は、ラウンジというと少し敷居が高いイメージだったが、意外と気軽に入れるものだ。そして入ってみれば、なんと落ち着くことか。ホテルならではの居心地の良さとこだわりのビールで、すっかり今日が「良い一日」だった気がしてくる。終わりよければすべて良し、ということか。ホテルで味わうビールで、ここまで気分が変わるとは……。
「ビールでしたら、ラウンジのほかに、ビアガーデンのあるホテルもございますよ」との情報も得る。ビールに目がない友人を誘って、にぎやかに美味しいビールで涼を得るのもいいかもしれない。さっそく週末に企画してみようかな。
メンバーの顔を思い浮かべつつ、さらにひと口、ゴクリ。もう一杯、おかわりで。


カウンターに座りビアマスターがビールを注ぐ様子を見ながら、まず一杯。メインダイニングで出されているおすすめのローストビーフサンドをつまみながら、もう一杯。口の中に残るビールの余韻が美味しくて、つい何杯もオーダーしてしまった。
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