


ここは「風の教会」と呼ばれる、高原のチャペル。十字架の後ろから差し込む陽光が、独特のカーブを描くチャペル内の白壁に美しい光のラインを描く。深呼吸すると、開け放たれた扉の外から、軽井沢らしい緑の芳香が流れてくる――。2年前の誓いの日を思い出す私の横で、妻も静かに目を閉じ、あの日の思い出に浸っているようだ。
一昨年、私たち夫婦は完成したばかりのこのチャペルで結婚式を挙げた。結婚記念日には、毎年特別な過ごし方をしようと、結婚式の日に交わした約束通り、今年は「風の教会 ブラーサビアンカ」がある軽井沢プリンスホテルに再訪したというわけだ。
「こちらは、上から見ると正八角形のフォルムとなっている斬新なデザインのチャペルで、大窓からの景色も素晴らしいんですよ」スタッフの説明を聞きながら見学している若い男女は、式場探しのカップルのようだ。
鮮やかなグリーンに彩られたガーデンウエディングは今思い出しても本当に素晴らしく、挙式なら軽井沢が一番だと思っていた私たち。しかしスタッフの話にこっそり耳を傾けたところ、チャペルウエディングのスタイルは、ここ1、2年でもかなり進化しているらしい。カップルの案内が終わるのを待ち、最近のチャペル事情について話を聞いてみることにした。
「そうですね、私たちはこちらのチャペルだけでなく、全国にさまざまなチャペルをご用意しているのですが、中でも“海の見えるチャペル”の人気は高いです。ほかにも“都心の高層ビルで夜景を見ながら”“水族館で魚たちとともにセレモニーを”など、多様なご要望にお応えしております」。
その空間にいるだけで心が澄んでいくような感覚にさせてくれる、神聖な場所。挙式をしなくても、見学だけでも訪れることができるそうだ。趣向を凝らしたチャペルがあるようだから、次の結婚記念日……といわず、休日ごとにチャペル巡りをする旅というのもおもしろいかもしれない。



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