リアルもフィクションも“新しい”
もっと身近に探偵を
現役の探偵がスタッフを務める話題のカフェ&バー「探偵カフェ プログレス」は、すぐ近くにある「総合探偵社プログレス」が経営している。「探偵は怪しいと思われがちな職業。不思議ですよね、物語の中では正義の味方なのに。このお店は探偵のイメージアップのために始めました」と、マスターの鈴木さん。確かに、探偵という職業は知っていても、相談や依頼となるとハードルは高い。「探偵とはどんなものか知ってもらい、気軽に相談していただけるようになれば。もちろん、面白がって興味本位でのご来店も大歓迎です!」(鈴木さん)
お店では実際の浮気調査の調査報告書をリアルに再現したサンプルを見ることもできるが、鈴木さんは“探偵の現実”ばかりを押し付けたくはないという。実際の探偵はあまり行わない指紋採取や盗聴器発見のアクティビティ(BARタイムのみ)、殺人現場風のフォトスポットも、お客さまに喜んでいただくためのサービス。誰もがイメージする「探偵がやりそうなこと」を体験することで、探偵を身近に感じ、このカフェを楽しんでもらいたいという思いからだ。

壁のモデルガンや奥の部屋のだまし絵など、ユニークな空間が広がっている。

探偵カフェならではのアクティビティで探偵気分を味わおう。
探偵に興味がなくても…
すべての人に楽しんでいただくために
お客さまの9割は20~30歳代の女性。夕方から終電までたっぷり楽しむ人も多いとか。彼女たちが特に楽しみにしているのは鈴木さんやスタッフとのおしゃべりだ。「恋愛相談が多いので、男女の恋愛観の違いや今すぐ使える恋愛講座といったお話が喜ばれます。探偵の経験上、この分野には詳しいんですよ」(鈴木さん)もちろん中には探偵に興味がない人も、お酒が苦手な人もいる。そこで鈴木さんはどんなお客様にも楽しんでいただくために、料理やドリンクにもとことんこだわっている。
料理はクセがなく誰でも美味しく食べられる食材を探して、ワニとサボテンに行きついた。なかでも看板のワニ料理はヘルシーで美味しく、美容にもいい。「ワニ肉を提供するお店は他にもありますが、タン(舌)やレバー(肝臓)などの内臓も提供しているのは珍しいんじゃないでしょうか」と鈴木さん。人気の「ワニのタンの炙り焼き」は、豚トロのような濃厚な味わいと貝のような不思議な食感で実に美味しい。ワニやサボテンの他にも、パスタやオムライスのような洋食系からおでんや丼物のような和食系、更にはラーメンをはじめとした麺類など、フードメニューも充実。実は鈴木さん、元料理人なのでこだわりは半端ない。キッチンの限られたスペースから生み出される多彩な料理を目当てに来店するお客様も少なくないそうだ。

「ワニのタンの炙り焼き」(1,800円/手前)と、
桜色と緑色の二層に分かれた
スイーツカクテル「道明寺(桜餅)」(900円/奥)。
キレイなカクテルは桜餅の風味が見事に再現されている。
あふれる工夫とサービスが
エンターテインメントに変わる
壁に並んだ色紙の中には人気声優のサインもずらり、池袋らしさが顔を出す。池袋ならではのメニューといえば好きなアニメキャラクターのイメージで作るオーダーカクテルだ。これはお酒の種類やカクテルの名前、カクテル言葉、色合いなどさまざまな要素を取り入れて作られるほか、キャラクターや作品に合わせたオリジナルのマドラーや装飾が添えられることもあるそうで、これを目当てにイベントのたびに地方から来店するお客さまもいるそうだ。
さらに工夫あふれる鈴木さんの最近のおすすめは「スイーツカクテル」。モンブランや道明寺(桜餅)、ティラミスなどのデザートから誰もが知る人気メーカーのお菓子まで、その味わいをカクテルで再現したものだ。アルコール度数はどれも低いので、お酒が苦手な女性でもいろいろな味を楽しめる。この不思議な感覚に病みつきになる女子は多いという。
ユニークな体験と恋愛話や趣味などの話題で、お客さま同士が自然に繋がっていく。友人の家のようにふらりと訪れることができるお店を続けていくこと。それが鈴木さんの目標だ。

各席に充電器が完備されているのも嬉しい。