【知られざる東京】
愛宕山の絶景
中秋の名月と呼んで、私たち日本人はお月見を愛でる文化がありますが、東京プリンスホテルにほど近い愛宕山は江戸時代、江戸の町や芝浦が見渡せるため月見などの人気スポットとなっていました。江戸には「月見の名所」がいくつもあり、愛宕山の高台もその一つに挙げられています。
愛宕山での月見が特に喜ばれたのは、その眺望のよさで江戸府内で一番高い山で、海抜26メートル、高層ビルがない時代には、眼下には錦絵のように江戸の町と海の絶景が広がっていたとされています。花見、月見、雪見を洒落込み、品川沖や武家屋敷が連なる江戸の家並みを眺望できる景観も自慢の地でした。江戸に町ができるまではその下は「芝」という地名が表すような低湿地が広がっていたわけですが、現代はここ芝公園に位置する東京プリンスホテル屋上からも、いにしえから続く絶景が広がっています。