初めての東京観光、ビジネストリップ、ホテル愛好者など、ゲストのみなさまのシチュエーションはさまざまです。ただ共通するのは、全員が、明日オープンの当ホテルに初めていらっしゃるお客さまだということ。だからこそ、スタッフ一同、みなさまのホテルステイがよりよい思い出となるよう、サービスを提供していきたいと思っています。そんな私どもにとって力強いメンバーのひとりが、チーフ・コンシェルジュの桃井 忍。コンシェルジュ歴16年、昨年には国際的なコンシェルジュのネットワーク組織「レ・クレドール」の正会員に認定されました。会員にはGolden Keysと呼ばれる襟章が与えられ、桃井の襟元にもふたつのバッジが光っています。

コンシェルジュの仕事になじみの少ないお客さまもいらっしゃるかもしれませんが、その仕事内容を本人はこう話します。「みなさまの滞在のお手伝いとなることであれば、どんなことでも。レストラン予約に国内旅行のアレンジメント、モノ探しや時には人探しのお手伝いをすることもあります。男性からは彼女への贈り物やプロポーズの相談も受けます。ホテルの外に出ての仕事も多いですね」

かつて、「旧友とコンタクトをとりたい」というゲストの相談をうけ、名前だけを手がかりに実際に数年ぶりの会話が実現したこともあったそう。「できません」と言うことはなく、不可能に聞こえることでも、できる限りリクエストに応えるのが信条です。むしろ難しいことを依頼されると「燃えてきます」と、コンシェルジュ魂に火がつくそう。「お客さまによっては、初めての日本、初めての東京という場合も多いです。ホテルでコンシェルジュとして働いていると、そういったお客さまの唯一の頼みの綱となることもあります。その方の思い出を左右する立場でもあるのです。なので一瞬一瞬を大切に働いていきたい、そう心掛けてみなさまと接しています」

明日からまた、桃井はこのホテルでさまざまなお客さまと話を交わすことになります。「新しいホテルなので、どういったお客さまが来られるのか期待で溢れています。みなさまとお会いできるのを楽しみにしています」
そう話す彼女のサービスは、マニュアルではなく心からお客さまのことを思い自然と動いているもの。ホテルという舞台、そして自信の仕事に誇りと愛情をもっているのが一番の強みかもしれません。